記憶のひとつとして

幼いころ、近くの本願寺近松別院では日曜学校が開かれていました。

おつとめやお話しの他、ゲームをしたりおみやげを貰ったりと、楽しい時間を過ごしていました。なにより、毎回参加の証としてスタンプを押してもらうのが楽しみで、そのためだけに行っていたような記憶もあります。

残念ながら現在は閉校してしまいましたが、近所のこどもたちが寺院という場所にふれる貴重な時間でありました。

浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)では、宗派を挙げた取り組みの一つとして、こどもたちや若い世代の人たちとの「ご縁づくり」を進めています。

当寺においても、いくつかの行事を執り行うとともに、法要・法事でお参りに来てくれたこどもたちにささやかながらおみやげをお渡ししています。また、法事の際には法話を終えたあと、改めてこどもたちに向けても語りかけるように心がけています。

幼いころの記憶のひとつとして「お寺でおみやげを貰ったなあ」「お寺であんな話を聞いたなあ」と振り返ってもらうことが願いであります。

ただ、解りやすく正確に伝えることは難しいことです。「おみやげを貰った記憶しかない」とならぬよう、より一層努めなければならないと反省する毎日であります。