和歌山でのご縁

先日、和歌山県紀の川市のご門徒さま宅へ参詣いたしました。

元々、ご家族の皆さまは大津にお住まいで、一昔前までは月に何回もご命日参詣をしていました。ただ、奥さま(おばあさま)が昨年ご往生され、その後、大津のご自宅は仏壇のみご安置された状況となりました。

この一年は、親類の皆さまが大津にお集まりになって、毎月慣れ親しまれたご自宅にてお参りを重ねてまいりましたが、先般、ご家族がお住まいの和歌山へ仏壇をお移しになり、この度のお参りはそのことを受けてのご依頼でありました。

和歌山まで、車で往復4時間半ほどでありましたが、車中で感じたことは、この同じ時間をかけて毎月大津までお越しになりご自宅でお参りいただいていたことへの感謝の気持ちでありました。また、当寺での法要にも足を運んでいただき、お参りをいただいておりました。なかなか、大変なことであったと思います。

自身が和歌山へ出向くことにより、あらためて皆さまの篤い思いにふれることができました。

おつとめ、お話しを終えた後、「遠いですが、これからもお参りをお願いいたします」と、うれしいお言葉をいただきました。

「道は覚えましたので、大丈夫です」と申しあげ、たくさんのお土産(お供え)とともに帰路につきました。

古くからご縁のあるご門徒さまやそのご親族が遠方へと越されるということは、どの寺院にも見受けられることであり、ご縁の相続を考える上でひとつの課題であるといえるでしょう。そのような時代においても、出来得る限りご縁をつないでいきたいと思っています。


「ご門徒さまのご自宅近くを流れる紀ノ川」