昨年4月の熊本地震から1年あまりの月日が過ぎました。
被災地域には本願寺派寺院も多いことから寺院やご門徒も大きな被害を受け、かつて1年間京都でともに仏教を学んだご住職も被災されました。本堂が倒壊するなど甚大な被害状況であることを地震後の報道で知りました。
支援活動が続けられる中、学友有志を中心とした支援の輪が広がり昨夏に見舞金・支援金をお届けいたしました。
先日、まだまだ大変な状況にもかかわらずご住職より御礼のお手紙をいただき、そこには念珠が同封されていました。
この念珠は倒壊した本堂や鐘楼の柱・梁を材料として被災地寺院の皆さまによって作られたものであり、「復興念珠」として販売益金をご門徒や寺院の復興支援に充てられるとのことです。
とても美しい念珠でありますが、長年にわたり寺院を支えてこられた皆さまのお心を思うと悲しい気持ちにもなりました。
お手紙には、地域のご門徒の被害も深刻であるため本堂再建など復興に向けた見通しが立たないという厳しい現状が記されていました。一方、激しい揺れが続く中で何とかご本尊や仏具は本堂から外へとお運びになり、多くの支援もあり現在は場を移しながら法要や法座をおつとめされているとのことです。
いただいた念珠を手にして、これからも何より「忘れない」ということを大切にしなければならないと思いを新たにいたしました。