和歌山でのご縁

今から20年30年ほど前、ご門徒さまは寺院近隣にお住まいの方が大半でありました。

それから時代の流れとともに、さまざまな事情で大津を離れていかれる方が増えてきました。

寺報や案内状の発送時に宛名を確認しますと、皆さまのご住所が多岐にわたることにあらためて気づきます。それでも、引き続いてご縁をいただくご門徒さまが多く、本当に有り難いことと感謝しています。

そのような中、本日、和歌山県紀の川市在住のご門徒さま宅へ祥月命日をご縁として参詣いたしました。1年半前に大津から和歌山へと仏壇をお移しになった際の「入仏式」以来の参詣です。

入仏式以後も、法要や法事の際には当寺までお越しいただいていましたが、これからは年に数度ご自宅にも参詣することになりました。

おつとめを終えて、長年当寺を護持していただいたご先祖について、変わりゆく大津の街並みについて、そして今日という日をともにお迎えできたことについて、いろいろなお話しをさせていただきました。

寺院状況の大きな変化に直面すると、とかく「新たなご縁づくり」へと思いが傾いてしまうことがあります。しかし、私が幼いころの懐かしいお話しを通して「これまでのご縁」に向き合うことの大切さと有り難さを感じる時間でもありました。

市内を流れる紀の川を眺めつつ、さまざまな思いを抱えながらの帰路となりました。