お参りのためご門徒宅にお伺いすると、それぞれの仏壇には違いがあり歴史があることに気づかされます。
昨今は住宅事情に合わせた新しい仏壇も多くなってきました。しかし、大津を始めとするご門徒宅では、まだまだ古くから長年にわたって受け継がれてきた仏壇を多く見ることができます。
それらの仏壇の多くは輪灯を電球ではなく油を用いて灯すものです。お伺いすると、まずご門徒が輪灯と蝋燭を灯していただき香を供えておつとめが始まります。
自らで灯すということを、仏事作法のひとつとしてこれまで大切にされてきました。時には恐縮しながらも、できるだけご門徒皆さまに灯していただくよう心がけています。
灯は仏壇を明るく照らすだけではなく、悩み迷う私たちを常に明るく照らしてくださる仏さまのはたらきをあらわしています。
仏壇やお参りを継承していくことの難しさが叫ばれて久しい今日ですが、私の心の拠りどころとして、その灯を絶やさないように大切にしたいものです。