葬儀のご縁

先日、ご門徒の通夜葬儀をおつとめしました。

このたびは自宅を式場としたおつとめとなりました。感染症の影響もありご家族だけで執り行なうこと、また、これまでもご家族の葬儀はご自宅で執り行なって来られたことから、今回も同様にご自宅を式場とされました。

現在では葬儀ホールでの葬儀が主流となり、ご自宅や寺院での葬儀はほぼ無くなりました。私自身も、ご自宅での葬儀は数年ぶりとなりました。

式はお子さまや幼いお孫さまなどご家族のみで執り行われましたが、終了後には思い出話を聞かせていただいたり、ご近所さまが焼香のためお越しになるなど、深い悲しみに中にも、どこか温かく同時に懐かしさを感じる時間でもありました。

振り返ると、20年以上前に私が初めておつとめした葬儀もご自宅が式場でした。親類の方に車で送迎いただき、お隣の家が控室で、ご近所総出での式であったことを懐かしく思い返しました。

式場によって通夜葬儀の意味が変わるわけではありません。ただ、かつての寺院やご自宅でのおつとめを思い返しながら、変わりゆく葬儀・仏事に赴く僧侶しての在り方を問い直す日でもありました。

悲しみの中ではありましたが、温かく尊いご縁をいただいたことに深く感謝いたします。