寺院では葬儀やご法事などとあわせて、毎月ご命日のお参りに伺う「月参り」のご縁があります。
当寺でも、これまで何代にもわたりお参りくださっているご門徒や、数十年間休むことなくお参りくださっているご門徒などがおられます。
先日ご自宅に伺ったご門徒は、多い時にはご家族4代でのお参りです。幼いひ孫さまはご誕生直後から、いつもご一緒にお参りです。
当初は顔を見るなり泣き出されたこともありましたが、今ではすっかり慣れた様子で、ご家族と一緒に一生懸命おつとめしてもらっています。
一方、90歳近くでありながらお一人で日々を過ごされ、毎月お参りくださっているご門徒がおられます。
少しずつお体の衰えは感じながらも、常にお元気に私を迎えてくださります。その様子を拝見すると、お参りが日々の勤めであり心の支えになっておられるように思います。
今の時代、家族の在り方はさまざまであり、心豊な生活の在り方もさまざまです。その中でご門徒はそれぞれの思いでお参りくださっています。
僧侶として教義儀礼を重んじながらも、同時にご門徒の思いを大切にしてご縁を重ねていきたいと思います。