4月22日、湖国の寺院旧跡を巡る一日旅行がおこなわれました。
滋賀教区機関紙「おうみ法の友」の取材企画として今回が7回目となり、県内の寺院から僧侶・門信徒50名の皆さまが参加されました。
前日の雨天から一転、幸い天候にも恵まれ、9時30分にJR守山駅を出発。
まず、守山市金森町の真宗大谷派・善立寺さまを参拝いたしました。
この地に善立寺を設けた道西坊は、本願寺第7代宗主・存如上人〔1396~1457〕第8代宗主・蓮如上人〔1415~1499〕に帰依し、特に「中興の祖」と仰がれる蓮如上人を支え続け、教化と本願寺復興に尽力したことで知られています。
おつとめに引き続いて、金森における上人ご教化の様子や、お手紙『御文章』や著作『正信偈大意』にまつわる上人と道西坊とのやり取りなど、貴重なお話しをいただきました。
寛正の時代、当時の本願寺が破却されるなど争いが絶えない混乱の時代を経て、世が一応の落ち着きを見せると、この金森に親鸞聖人御影をお迎えして、上人や道西坊によって法要がおつとめされました。
金森は本願寺の歴史を語る上でとても大切な地であります。
昼食をはさんで
法専坊の前住職は、本願寺在職時に当時新聞社の宗教担当記者として本願寺に出入りしてその後作家となる司馬遼太郎氏と出会い、それから長く親交を深められました。
司馬氏が法専坊を訪ねた際に書き残した色紙を手にしながら、前住職と司馬氏とのエピソードを披露していただき、また今日までの寺院の歩みについてもお話しをいただきました。
最後に、野洲市銅鐸博物館(野洲市歴史民俗博物館)を訪ねました。
野洲市からは、明治と昭和に24個の銅鐸が出土し、この中には日本最大の銅鐸が含まれていたそうです。
約2000年前の人びとの暮らしを振り返りながら、今まであまり知ることのなかった滋賀の歴史を、皆さま興味深く聞いておられました。
訪ねた各所において貴重なお話しをお聞きすることが出来て、大変有意義な一日となりました。
今回引率いただいた教区教務所職員さんは、被災地被災者支援のために出向された熊本県から戻られたばかりでありました。
参加者の皆さまからも、この度の地震災害に関する声が聞こえてきました。真宗の歴史と先人の歩みにふれながら、今日の私の姿を考えさせられる時間でもありました。
主催:浄土真宗本願寺派滋賀教区 「おうみ法の友」