本年の報恩講法要を終えて10日ほどが経ちました。
法要を終えた先日、本堂内陣のお飾りを法要時用から平常時用へと戻すべく作業を行ないました。蝋燭立や花瓶などを下げ、卓にお掛けしている打敷や水引といった装飾布を外していきました。
この作業の際、いつも目に留まるのが裏地に記された寄進してくださったご門徒のお名前や年月日などです。
今回は報恩講法要時にのみ用いる装飾具を納めている木箱の裏面が目に留まりました。そこには天保十三年(1842年)につとめた記念法要にあたり、この装飾具を寄進してくださったことが記されていました。傷みがあるものの、修復を重ねておよそ180年間にわたりお飾りしてきたことになります。
また、ある軸の裏地には代表者の方と共にずらりと連名が記されており、ご親族そろっての寄進であったと知ることが出来ました。
ついあちこちに目が行き作業を止めてしまいました。これまでの歴史の中で、当寺を支えてくださった皆さまの思いを知る時間でもありました。一寺院をお預かりする重みを感じながら作業を再開して、ひと通り法要後の作業を終えました。