毎年9月18日、宗門主催の「全戦没者追悼法要」が東京・国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑にて営まれています。
法要にあわせて、本山・本願寺や各地の本願寺派寺院では「平和の鐘」が撞かれ、戦没者を追悼するとともに非戦平和の思いをあらたにしています。
本福寺には古くから鐘楼はあるものの、そこにあるべき釣鐘はなく代わりに大きな角石が吊るされています。
戦時下、金属回収のために供出されて以来、当寺に戻ることはありませんでした。以後、新たに設けようという声が何度か挙がりましたが、釣鐘不在のまま戦後75年を迎えることになりました。
結果として現在の鐘楼の姿は、戦争の悲惨さと寺院の大切な財産が多くのいのちを奪ってしまったという歴史を語っているように見えてきます。今の姿を後世に残していくのも、一つの形ではないかという思いも抱えています。
鐘を撞くことはできませんが、鐘楼の姿を眺めつつ仏前にて手をあわせて、非戦平和を願う一日でありました。