企画展「近江堅田 本福寺」を観覧

現在、大津市歴史博物館では「近江堅田 本福寺」と題した企画展が開催されています。

慶讃法要の片付けも終わらない状況ながら、貴重な展覧会を見逃すわけにはいきませんので本日観覧してきました。

堅田本福寺は本願寺第八代・蓮如上人とゆかり深く、近江国(滋賀県)の真宗信仰において、また本願寺の歴史を語る上でとても重要な寺院です。

同展では本福寺所蔵の法宝物などが展示され、本福寺を中心とした当時の人々の信仰の篤さと堅田の繁栄の様子が伝わってきました。

迫力ある巨大な名号(本尊)や細かく丁寧に記された数多くの書物は見ごたえがありました。同時に、これらを今日まで所蔵伝承されてきたご住職方のご苦労も大変なものだろうと思いました。

なお、大津本福寺は、堅田本福寺と山号寺号とも同じ寺院です。展示史料によると、当寺はかつて「大津通寺」または「大津通院」と呼ばれ、堅田本福寺の住職が大津本福寺を「兼帯」していたとあります。その当時、住職は堅田と大津間の琵琶湖上を船で行き来していたともあります。

やがて明治初期に兼帯は廃止され、その後大津には私の先祖でもある専従の住職を迎えることになります。住職継職から間もない中、あらためて当寺をお預かりする重さを感じます。

長年護持されてきた本堂を解体したことにより、歴史を語る御堂は姿を消してしまいました。これからは真新しい本堂で仏縁を重ねていくことになりますが、多くの人々の思いによって今日の大津本福寺があることを忘れてはいけない、そのような思いをあらたにしました。

2023年11月16日 | カテゴリー : その他報告 | 投稿者 : admin